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| 福岡県八女市。多くのため池が青く染まる。普段緑色をしているため池が突然鮮やかな青に変わる。昭和のため池では養殖の鯉が大雨が降ると次々に死んだ。このため池は回りに茶畑が広がり、降った雨がため池に流れ込む集水域になっていた。長年茶畑に蓄積された硝酸窒素や硫酸が一気に流れ込むことが原因と考えられた。 このような事例は実際には全国各地でかなりの数に達する。多くは地区の特定名称を伏せ、大々的に報じられることは少ない。お茶が地域の主力農作物であるためだ。それぞれの住む町の地下水や池や川も例外である保証はない。大量の肥料のツケは環境破壊だけでなく、経済的にも国や自治体、そして地元の負担になるのは言うまでもない。肥料はやればやるだけいい茶ができる。それは一つに茶の成分と関係がある。うまみのある茶はアミノ酸、テアニンが多く含まれた物をいう。そのためには窒素肥料がかかせない。また茶の特性として、野菜などと違い一番茶から二番、三番、さらには四番と年に数回摘採される。そのためどんどん栄養補給をしてやる必要がある。最近の大型工場化により、大量の緑茶を生産する場合はその傾向が特に顕著である。 農水省は1997年、角都道府県に当て「過剰肥料により、農業が環境に与える負荷が指摘されている。特に茶生産の現場では、うまみ成分を増加させるため多くの窒素肥料が必要という考え方から、基準を上回る施肥が行われているところがある。適正施肥についての指導を強化されたい。」と異例の通達を出した。現在は原肥農法へ急速に進んでいる |
最近日本国内でも有機・無農薬農産物の人気はうなぎ登りだ。有機茶を売り物にしたインターネットや通販ののびを見ても、こうした風潮は広く定着して国違いない。定着して行くに違いない。しかし理想の方法は収量の減少を招き、生産コストもかかる。国内外の緑茶消費をまかなえない。安くておいしいお茶のニーズが無くなるとも思えない。安全性と生産性。この問題を克服しなければ未来はない。お茶に対してのEUの残留農薬基準は厳しい。日本の100倍、200倍は当たり前、中には日本の基準の1500倍などというケースもある。 日本では慢性の毒性や発ガン性などを試験した結果に安全率を乗せて基準値が設定されている。この基準値を超え農薬が残留しないように安全基準を定め、散布回数なども制限している。使用基準を守っていれば安全性が保証されるのである。こうした日本の安全性についての考え方がいつまで通用するかは別問題。過去ドイツで起きた緑茶の残留農薬騒動は、「どこまでが安全で、どこからが危険」ということではなく、「自然界にない化学物質の残留はみとめない」という根本的な姿勢の違いである。 |
最近特定の農家のお茶しか買わない主婦が増えている。どのようにして作られた物か略歴のわかるものを選びたいという消費者が増えている。ブレンドの方がおいしいとはいうけれど、どんなお茶が混ざっているか不安だから。という理由だ。 静岡茶、八女茶、○●茶というと、100%書かれた産地のお茶が原料だと思っている人も多い。しかし他地域の茶葉が使われていても、静岡で仕上げられれば静岡茶、○●茶になる。分類上緑茶は加工食品。法律上は茶葉の産地を記す義務はない。しばらく前のこと、静岡のお茶成分の分析からグルタミン酸が検出され騒ぎとなった。調査の結果、ブレンドしたお茶の一部で三重県産の茶から検出されたことがわかった。 ブレンドはファジーで微妙。店や問屋の腕の見せ所である。だが、時代の流れは表示の充実に向かっているのは間違いない。静岡茶品位確率委員会は荒茶出荷票、包装材、適正表示をチェックするにとどまらず、ブレンドの割合も含めた情報の開示と表示について検討している。 知る権利を主張し始めた消費者。表示の重要性に気づいた業界、生産者。買う側売る側の距離を縮める一歩は踏み出されたばかりだ。 |