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統計と資料


べにふうき(紅富貴)は昭和40年に農林省茶業試験場枕崎支場で、「べにほまれ」と「枕」を交配し得られた実生群の中から選
抜育成された品種である。
べにほまれ=アッサム雑種系  枕=ダージリン系
成分特性
一番茶新芽  単位%
全窒素
アミノ酸
カフェイン
カテキン
4.93
2.50
3.82
23.03
発酵性は;べにほまれと同様に極めて優れる

べにふうきの加工
緑茶
開度100 %で摘採すると,摘芽は10cm 以上に達している。このため,二段摘み
(始めに上部5〜6 cm の位置で摘採し,その後所定の位置で摘採する)を行う
と摘採およびその後の製茶工程が容易となる。

出開度100 %で摘採した原料は,蒸しが通りにくいので蒸気量を多くして十分に
蒸熱する。 べにふうき はアッサム雑種のため出開度の若い柔らかい新芽で
は,粗揉,揉捻,中揉工程で強い粘りが出て団子状になりやすい。これを防ぐに
は通常の粗揉時間よりも10 分程度長くして,原葉内の水分含量を減らすとその
後の製茶工程で支障が少ない。出開度100 %の原料では,粘りが少なくなって
いるので中揉工程で団子状になることはない。

EGCG3;Me 含有率は,粗揉時間が60 分(標準)〜 75 分では含有率の低下は
殆ど見られないが,標準の1.5 倍の90 分粗揉ではEGCG3;Me は大幅に減少す
るので注意が必要である(表3)。

この試験は少量製茶機での試験結果であるが, 大型製茶機の場合も基本は同
じである。

機能性成分EGCG3Me を対象とした緑茶製造では一般に中揉仕上げを行うが軽
く精揉機にかけた方が香味が向上する場合がある。

必要に応じて精揉機にかけるのもよい。
べにふうきをかまいり茶で製造した場合,EGCG3Me の低下が殆どなく,品質的
には煎茶よりも大幅に優れることから今後取り入れていきたい製茶法である。

生葉を萎凋して製造する場合,水分減20 〜 30 %の軽から中の萎凋で品質は
向上し,EGCG3Me の低下も起こらない。水分減45 %の強い萎凋では, 水色
が赤味を帯び,品質が著しく劣る。
紅茶
べにふうきで紅茶をつくる場合,一般の紅茶製造の手順に準ずる。摘採は出開度50 〜 70 %で行う。出開度が低い場合は青臭みと苦渋味が出やすく,;べにふうき特有の高い香気は得られない。
紅茶製造の手順は次の通りである。(標準)
摘採萎凋(水分減40 〜 45 %)揉捻(40 〜 60 分)玉解き・篩い掛け篩い上揉捻(20 〜 40 分)発酵(60 〜 80 分)発酵止め(90 ℃,5分)乾燥(60 〜 70 ℃,30 分)
摘採;萎凋(水分減40 〜 45 %);揉捻(40 〜 60 分);玉解き・篩い掛け篩い;発酵(60 〜 80 分)乾燥(60 〜 70 ℃,30 分)
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機能性成分
エピガロカテキン−3−O−(3 −O−メチル)ガレ−ト(EGCG3Me と略す)の変化
一〜三番茶摘採適期の新芽中のカフェインとカテキン類の含有率は一番茶のカテキン類の含有率は夏茶(二・三番茶)に比べてやや低い。
秋番茶はカフェイン,カテキン類ともに三番茶と比べてやや低いが,機能性成分のEGCG3;Me の含有率は三番茶と同様に高い。
一番茶はEGCG3Me の含有量が夏茶に比べて少ないが,硬葉摘み(後で詳述)を行うと1.5 %以上確保できるので機能性飲料の原料葉としても重要である。特に,味の面からは,一番茶はうま味があるために飲料の原料には欠かせない。
同一茶期内におけるカフェインとカテキン類の含有率は出開度が進むに連れて低下するがEGCG3Me は反対に増加する。このためEGCG3Me を対象にしたべにふうき栽培では,通常の摘採適期の概念は通用しない。
EGCG3Me の含有率は,出開度60 %の時を100 とすると,出開度100 %ではEGCG3;Me の含有率は140〜 150 %と非常に高くなる。しかし,出開度100 %以降はほとんど増加しない。従って,べにふうき’の摘採適期は出開度100 %に達した日以降の数日間あるいは,やぶきた;の摘採から10 日〜2週間後が摘採適期の目安となる。
新芽の生長期には,1日で10 %程度生葉収量が増える。一番茶期では,新芽の出開度60 %から100 %になるまでに約10 日を要することから,生葉収量は出開度60 %時に比べて出開度100 %ではおよそ2倍になる。一方,カフェインは出開度60 %摘採に比べて,出開度100 %では30 %近く低下することから,硬葉摘みの経済的効果は非常に大きい。
その他注意すべき点として,べにふうき はアッサム種の血を引いている品種のため,一番茶をやぶきたと同じ時期に摘採しても二番茶はやぶきた;に比べて5〜 10 日遅くなる。このため,出開度100 %で摘採することも考慮すると暖地では三番茶まで温暖地では二番茶までで摘採を中止し,充実した秋番茶をとるように管理する。
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べにふうき
(1) 早く大きくするためにはできるだけ上に伸ばして幹を太らせる。開張性のために初回せん枝は低い位置でせん枝しなくても株張りは確保できる。
(2) 主要病害には抵抗性があり,殺菌剤の必要はない。主要虫害では,二番茶期のチャノミドリヒメヨコバイに注意をする。
(3) アッサム雑種のために摘採から次の摘採までの期間がやぶきた’に比べて5〜 10 日長い。このため暖地では三番茶まで,温暖地では二番茶で摘採を中止する。
(4) 摘採期は中生であるが,緑茶として機能性成分EGCG3Me を対象とする栽培では,出開度100 %に達してから摘採する。摘採の目安はやぶきた摘採後10 日から2週間である。
(5) 出開度100 %での摘採は,出開度60 %での摘採に比べて生葉収量は約2倍になる。
(6) 出開度100 %の硬葉摘みは収量と機能性成分EGCG3Me の含有量の両方が高まり,カフェインが大幅に低下する三重効果により経済的価値が非常に高くなる。
(7) 紅茶と緑茶の両方を製造する場合,出開度50 から70 %の時期に手摘みを行って紅茶を製造する。その後,7〜10 日後に整枝を兼ねて摘採し,緑茶原料とする。
(8) べにふうき はアッサム雑種のため, 蒸熱後の粗揉, 揉捻, 中揉工程で粘りが出やすい。このため粗揉時間を少し長くして乾かし気味に製茶すると揉捻以降の工程で支障が少ない。
(9) かまいり茶にすると嗜好性が向上し,機能性成分EGCG3Me の減少も少ない。
(10) 一番茶は機能性成分EGCG3Me がやや低くなりがちであるが,味の調整では無くてはならない重要な原料である。遅摘みすればEGCG3Me が1.5 %以上確保できる。

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